学習塾の壁に絵画が必要な理由をお話します

"学習塾に飾る絵画は、三つの方向に働きかけねばなりません。ひとつめは塾生、ふたつめは塾講師、みっつめは、入塾希望者の保護者です。

入塾説明会の際、入塾希望者とその保護者が塾内におられる時間は僅かです。その僅かな間に、保護者は塾をチェックします。もちろん、講師の質や指導内容、指導実績は重要なファクターです。ですが、人間が他者を判断するのは最初の2秒であり、その判断は1時間話した後も変わらない、と言われています。同様のことが、塾などの組織にも言えます。扉を開いてまず名画が目に入ることで、「知性・教養の高い人材がいそうだ」「塾内の雰囲気が良さそうだ」と思って戴ければ、その後の説明もスムーズに受け入れられるのではないでしょうか。

それに、実際に名画を塾内に飾ることでは、講師や塾生にも良い影響を与えます。教科書で見た絵画が僕の塾にある――なんて、素敵なことですね。芸術作品は、心を落ちつかせ、豊かにします。そして、美的な配慮のある労働空間では、人は仕事に(塾生の場合は勉強に)誇りを持ちやすくもなるのです。

できるだけ有名な作品がふさわしいでしょう。題材は、セクシャルなものは避けるべきです。信頼を得る、集中力を高める、という効果を考えると、青が主体のものがぴったりに思えます。画家は、塾生の年齢層にもよるでしょう。年齢が高い場合は、ダリの作品や、ピカソの中〜後期の作品も面白いかもしれません。小学生から高校生までを扱うような場合は、シャガールの作品が広い世代に受け入れられるのではないでしょうか。"