病院で飾る絵画の選び方・おすすめ絵画
病院に絵画を飾る目的は、患者様やご家族様の目を楽しませること、そして、空間に安らぎを与えることでしょう。
人が、病院に明るい気持ちで来ることは稀です。自身の疾病であれ家族の疾病であれ、不安や悲哀が心にあります。
病院にかけられた絵画は、時には、人生における最も辛い場面の直後に見る一枚にもなるのです。
できるだけ丁寧に選んだ絵画を飾って戴きたいと願います。
色彩的には、気持ちを落ちつかせる青や、リクラゼーション効果の高い紫などが望ましでしょう。
また、それぞれの色が調和していることもとても大切です。
ピカソの穏かな人物画や、シャガールの絵画はぴったりでしょう。特に<色彩の魔術師>シャガールの華やかな色彩は、
無機質になりがちな病院の風景を優しいものに変えてくれます。青というとフェルメールの青が思い浮かぶ方も多いかも
しれませんが、シャガールのすべてと蕩けあうような青も、たいへん素晴らしいものです。
また、ゴッホの『花咲くアーモンドの枝』
など、青空や植物を描いた絵もお薦めです。絵画を通じて、閉塞的な空間を外と繋げることで、病院にいる患者様に「ほっ」としていただけるのではないでしょうか。
また、慢性疾患や長期療養で通院する患者様が多い病院では、節目節目で、待合室の絵画を架け替えることをお薦めいたします。変化のない待合室の風景と、変化のないご自身の疾病が重なってしまうことは、考え過ぎでもなんでもありません。
どんな場所であれ、絵画は人の心に働きかけます。
けれども、特に、病院に飾られる絵画は、特別なものなのです。